マーケティングにおいて、ペルソナという言葉を何度も耳にした経験があることでしょう。
しかし「ペルソナってなに?」「どこまで設定すればペルソナは満足なの?」という方がいるでしょう。
これまでのマーケティングであまり結果が出ていない方に向けて、本記事ではいまさら聞けないようなペルソナマーケティングについて細かいところから解説していきます。
ペルソナとは
ペルソナとは、マーケティングなどを行ううえでの自社の商品・サービスを売る理想の顧客の人物像のことです。コンテンツマーケティングやリードナーチャリングなどのマーケティング活動に対して、ペルソナは必ず設定しなくてはならないものです。
そしてペルソナは、理想の顧客そのものではなくあくまで理想像なのです。なぜなら1人の顧客が理想の条件をすべて満たすわけではなく、インタビューや調査によって得られた情報から、作り出される架空の像なのです。
ペルソナを作る条件には以下のようなものがあげられます。
ペルソナ属性
- 年齢・仕事などの基本情報
- 口癖
- ライフスタイル
- 目標、現状の課題
- 情報源に何を扱っているか
- 商品・サービスを購入する理由・目的購買への関与方法
ペルソナは上記のように実在する顧客や潜在顧客から作成していくため、ペルソナはあくまで理想像ですがそこにはリアル感が存在します。
ペルソナマーケティングのメリット
CMなどのターゲットマーティングでは、年齢、性別などある程度の人物像まで絞ることができますが、人の特性はそこからさらに分岐していくため、より詳細なイメージを持ちづらいのです。
マーケティングを行う時点で、かかわる人たちが共通意識をもって行っていることは、円滑に物事を進めることを可能にします。
その点で、ペルソナマーケティングを用いることで、家族構成、ライフスタイル、趣味嗜好を細かく分析することでこれからターゲットとする人物像により近づくことができ、より刺さるマーケティングを可能にします。
またメリットとして以下のものがあげられます。
- ニッチ・マーケティングと相性がいい
- プロジェクト効率の上昇
- 企画段階で計画書が通りやすい
①:ニッチ・マーケティングと相性がいい
マーケティングにおいてその規模をより小さくしたマーケティング手法をニッチ・マーケティングといいます。
感覚として、ターゲットにする市場を小さくするということは、利益に関して小さくなると考える方が多いのかもしれんせんが、規模を小さくすることでペルソナがより詳細になりコンバージョン率が高くなります。
大企業はこれと対照に莫大な資本を生かしたマスマーケティング戦略を仕掛けてきます。しかし予算の少ない中小企業は間口の広いサービス展開をしたところで勝てません。
そこで中小企業は、ニッチ・マーケティングとペルソナマーケティングをかけわせることで、1極集中の小規模の市場に仕掛けていきます。大手が参入できないカテゴリの顧客のニーズをつかむことができれば、多くの勝算をつくれます。
その為、ニッチ・マーケティングとペルソナマーケティングを行うことで大企業とも渡り合うことができます
②:プロジェクト効率の上昇
上記で示したように、ペルソナの設定を具体化することでプロジェクトの意思決定を迅速に行うことができ、余計な経費がかさばることがありません。
またターゲット層がより細分化され明確なことで、販売方法、販売地域をより詳細にイメージでき、必要予算が推測できます。迅速にプロジェクトを展開させるにはとても有効です。
③:企画段階で計画書が通りやすい
ペルソナを設定することで顧客層が明確になるため、見込み収益もはっきりするため企画書が通りやすくなります。そのため企画段階である程度必要予算も明確になるため、意思決定者としても判断がより簡単になります。
これは内部だけでの会議だけでなく、クライアントに対する営業をする際にも有効ですので是非一度試してみてください。
ペルソナマーケティングのデメリット
ペルソナマーケティングはメリットが多いですがこのようには完ぺきなものは存在せず、デメリットとも存在します。
以下にデメリットについてまとめました。
- 設定を間違えると効果が生まれない
- ペルソナを放置すると効果が低下する
- 大胆な発想をつぶしてしまう
①:設定を間違えると効果が生まれない
ペルソナマーケティングはその特性故、ユーザーの情報設定をまちがえ、間違ったアプローチをしてしまうと、効果が生まれません。その為事前調査が最も大事になってきます。
ペルソナで分析したユーザーと、実際に購入したユーザーに誤差が生まれたまま、マーケティング施策を行っても効果があまり生まれません。
その為、SNS、アンケート、口コミ情報をもとにペルソナ制度を上げていくことが必要です。そこからPDCAサイクルをすることでよりペルソナの精度を上げていくことができます。
②:ペルソナを放置すると効果が低下する
ペルソナマーケティングの対象は細分化しているため、時代やトレンド、経済状況などによっても大きく左右されます。それは1年前に設定された新しいペルソナであっても今使えるとは限らないということです。
それは対象の動向に合わせて、常にアップデートしていく必要があるということです。
③:大胆な発想をつぶしてしまう
ペルソナを設定するということは、ターゲットを縮小しコンバージョンをあげていくということを意味します。もちろんその方法は間違っていないのですが、ターゲットを絞ることによって大胆なマーケット施策を打つことができなくなってしまいます。
小さいマーケットに効率的に効果を出すことができるペルソナマーケティングは、大きなマーケットを攻めようとしたときには、大きな効果を生み出すことができないかもしれません。
ペルソナ設定方法
まず初めにペルソナマーケティングはすべてのマーケティングにおいて必ず有効というわけではありません。また有効な媒体について以下にまとめます。
- Webコンテンツ
- ブログ
- ソーシャルメディア
- マーケティング・メール
- ノウハウ集などのダウンロード資料
- 検索キーワード
- コンテンツのデザイン
またペルソナを設定するには3STEPが必要になります。
- 情報収集
- 仕分け、まとめる
- 物語風に仕上げる
STEP①:情報収集
まずはペルソナについての情報収集を行います。その情報については、既存顧客から動向をまとめること、インタビュー・アンケートを通じて情報を集めるなどがあります。
また必要な情報に関しては、上記のペルソナ属性にてまとめました。
またペルソナ設定をする際の注意点として、行動そのものではなく、その行動に至った理由や動機に着目することで、より良いペルソナを作ることができます。
STEP②:仕分け、まとめる
ペルソナに関する情報を集めることができたら、共通する情報ごとにまとめ仕分けましょう。特徴などに関しては以下の項目を上げましょう。
- 年齢、家族構成、年収などのデモグラフィック
- 役職
- 1日のライフスタイル
- 価値観
- 悩みや課題
- 商品・サービスを利用する理由・動機
- 情報源、情報収集方法
STEP③:物語風に仕上げる
ここまでの2STEPではペルソナに関する情報を箇条書きでまとめてきました。そこからペルソナに関するイメージを確かなものにするために物語風に仕上げます。
以下のテンプレートを参考にします。
ペルソナマーケティング成功事例
Calbee
当時、スナック菓子は「20代~30代の女性」には人気が出ず、男性が食べる商品というイメージが広まっていました。しかしながらジャガビーはそのイメージを払拭することに成功しました。
この施策の裏には、定量データをもとにペルソナの設定が行われていました。
- 27歳
- 独身女性
- 文京区在住
- ヨガと水泳に凝っている
などのプロフィールが設定されていました。
またこのペルソナがよく読むであろう「Oggi」で活躍していたモデルのヨンアをCMに起用したことでより、ペルソナの心をつかむことに成功しました。またそのほかにもペルソナの嗜好に合わせパッケージのデザインなども制作されました。
Soup Stock Tokyo
Soup Stock Tokyoはペルソナマーケティングを用い、10年で売上高42億円をたたき出しました。
Soup Stock Tokyo のペルソナの設定には「秋野つゆ」という名前から設定されるとの徹底した設定が行われました。また以下のような情報も設定されました。
- 秋野つゆ
- 37歳女性
- 都心で働くキャリアウーマン
- 装飾性よりも機能性を重視
- フォアグラよりレバーが好き
- プールは平泳ぎではなくクロールをする
などと細かい設定が行われていました。この「秋野つゆ」を満足させるためにメニュー、店舗の場所などを決められていきました。
その結果 わずか10年で売上高42億円、店舗数52店舗 という偉業を達成しました。
まとめ
本記事では、いまさら聞けないようなペルソナマーケティングについて細かいところから解説していきました。
現状行われているコンテンツマーケティングなど様々な分野に応用することができるペルソナマーケティングですが、設定が甘いところがいくつもあります。そういう細かいところを突き詰めていくことで更なる売り上げにつながっていくかもしれません。