Menu
in

広報って何?中小企業・ベンチャーにも必要な広報の役割と意義とは

ここ近年、広報の重要性が高まってきているように感じます。実際に中小企業やベンチャー企業でも広報部を新設する企業は年々と増えて行きています。

ところが「広報」とはどの様な仕事なのか?またどのような価値があるのかご存知ですか?

これから広報部を新設される経営者の方や、広報担当を任せれた方向けに、本記事では広報とは何か?また中小企業・ベンチャー企業においてなぜ広報が大切なのかについて解説していきます。

広報とは何か?

広報とは、社会との関係性作り

広報とは一般的に「PR(パブリックリレーションズ)」と表現されます。
一言で言うなれば、「Public=一般の人々」と「Relations=関係性」をつくる仕事ということになります。

また広報は、広告と間違われることが多いですがいくつかの点が違うことによって、もたらせる効果や影響が変わってきます。

広告と広報の違い

①:広告は自薦・広報は他薦

広告は、一人称で自己PRをする自薦、広報は二人称で他薦ということもできます。例えば広告と広報の違いを分かりやすく言うと以下のようなイメージです。

・広告:「ぼくはこんなに頭が良くてイケメンなんです」
・広報:「彼ってこんなに頭が良くてイケメンなんだよね」

②:広告は有料・広報は無料

また、広告は有料なのに対して、広報は無料です。

消費者やメディアに自らの口で会社や製品を話題にしてもらうことが広報です。
だからこそ広告宣伝に莫大な予算をかけられない中小企業やベンチャー企業にとって広報は必須なのです

③:広告は顕在層、広報は潜在層にリーチできる

広告は原則的に、ニーズが顕在化している層にしかリーチすることができません。
さらに、顕在層の刈り取りが終わってしまった段階で、広告によるCPA(顧客獲得コスト)が悪化することがしばしば起こります。

広報は、会社や製品を知らない潜在層に認知してもらう機会を作る仕事です。
そのため広告によるCPAが悪化してきたタイミングでは、広報が本領を発揮します。


※他にも営業で、リードが枯渇してきたり、アプローチしても信用してもらえなかったり、そうした時に潜在的な認知を広げる広報が役に立ちます。

また、往々にして、ベンチャー企業の製品は新規性が高いために、「知る人ぞ知る」製品になりがちです。知っていれば多くの人に愛されるはずなのに、認知度が低いせいで中々顧客が増えない。そんなベンチャー企業にも、広報は有効です。

広報の仕事内容は?

①:社会性や話題性のあるネタを作る

広報の仕事は、会社や製品をメディアに取り上げてもらうネタづくりから始まります。

ただし、いかにも会社の宣伝になるような客観性を欠く情報はメディアには取り上げられません。

いかに、世の中の関心事と絡めて、自社製品が語られるようなネタを作れるかが広報マンの腕の見せどころになります。

社会問題や流行している話題と絡めてネタを作る必要があるのです。

かつてマクドナルドが、AKBの総選挙をオマージュして「ハンバーガー総選挙」という企画を打ったことがあります。AKBの総選挙が話題になっているニュースの一例としてハンバーガー総選挙が取材されたのですが、例えばこのように流行や話題を絡める事が重要です。

②:情報発信をする

(1)プレスリリースや記者発表を通じた情報発信

雑誌・新聞・TVやwebメディアなどの中立的な媒体に取り上げられることを通じて第三者的な視点で自社のイメージを作り上げていくということになります。

企業の広報担当は、プレスリリースや記者発表などを通じて各媒体の記者に情報発信をしていくのですが、この際に、いかに想定通りに取り上げてもらえるかが広報マンの腕の見せどころになるということです。

(2)SNSを通じた情報発信

また、ここ最近では、SNSを活用した広報活動も増えてきました。
TwitterやInstagramを通じて、フォロワーとの双方向のコミュニケーションを通じて、より企業や製品を身近に感じてもらうことができます。

また投稿をフォロワー同士でシェアしてもらうことで、自社サービスや製品を話題にしてもらうことができるのです。

最近では、「ググる」よりも「タグル」若者が多くなっていると言われています。SNSはネット記事よりも生の声を反映していて嘘偽りがないと感じる若者が多く、10代~20代女性の約60%以上がレストランをググらずにInstagramやTwitterでタグルと言われています。

そうした若者にリーチするためにはSNSを通じた「話題作り」というのも広報マンの仕事として重要になってきています。

社外広報と社内広報

広報には、一般的に想像される「社外向けの広報」と「社外向けの広報」があります。
以下にそれぞれ、具体的な業務内容を紹介します。

社外広報

社外広報ついては、上述のとおり、「ネタ作り」と「情報発信」が主になります。他の業務も含めてまとめると以下のような業務があります。

  • 世の中のトレンド情報の収集
  • 広報用のネタ作り
  • プレスリリースの配信
  • 企業用のSNSの運用
  • 社外イベントの企画・運営
  • メディア用の記者発表
  • オウンドメディアの運営

社内広報

広報の役割として、社内広報も存在します。
数人規模のベンチャー企業であれば社長と社員の距離が近く社内広報の必要はありません。

ところが、ある程度の規模になった段階で企業や製品に対するビジョンや、部署間での情報ギャップを埋めるために社内広報は必要になってきます。

一般的に、30人程を超えるタイミングでが内広報が必要になる目安になると言われています。

社長と若手社員との距離が離れ、事業に対する創業メンバーの思いやビジョン、製品に対する開発メンバーの思いなどを社内に共有されることが難しくなってくると言われています。

また、デザイン部や開発部で行われた新機能の追加などの情報を、営業部やカスタマーサクセスチームに共有することも社内広報の役割になります。

  • 新商品情報
  • 新社員情報
  • イベントスケジュール
  • 社員報の発行

その他にも空いた時間で他部署とのコミュニケーションを図ったり、いろんな場所に出向いて情報を集めてはネタを作っています。

広報の最終的なゴールは会社としての認知度の向上にあり、それが広報の仕事なのです。自社の名前や商品がいいほうに売れるのであれば、決まった方法がないのも広報の面白いところとも言えます。

たとえ今すぐ行った施策の効果が表れなかったとしても、いつどこで火が付くかわかなないので地道なPR施策を続けていくことが大事です。

広報担当に必要な3つの心がけ

ここまで、広報の重要性と、広報の業務についてお伝えしてきました。
ここからは、新しく広報を担当することになった新人の広報担当者が持つべき3つの心がけについてお伝えします。

①:泥臭さをもつこと

広報担当はメディア記者さんに電話をしてアポを取り付けてプレゼンをしたり、交流会に参加して関係性を構築したりと、かなり泥臭い作業を求められます。

また、ユーザーや話題になっている出来事があれば、生の声を聞きに行ってそうした一次情報を、広報ネタにつなげたりする必要があったりします。

そうした活動によって得られる情報こそ取材に足る価値があるため、広報マンには泥臭さも必要なのです。

②:チャンスを見逃さないこと

広報担当者は、世の中でどの様なことが話題になっているか幅広く情報収集をするべきです。そして少しでも自社と絡められそうな社会的な関心事があれば積極的にネタを作っていきましょう

また、メディアの取材は自社をPRする大きなチャンスです。ところが取材する側は番組に穴があかないように複数社に同時にアプローチをしていますので、すこしでも返答が遅いだけで、他社がその枠をとってしまえば大きなチャンスを逃すことになります。

こうした取材のチャンスは逃さないように心がけましょう。

③:企業の顔としての意識を持つこと

広報担当者はメディア記者にとっての企業の顔です。
常に、企業のフロントとして記者とコミュニケーションを取る必要があります。

企業とメディアは中長期的な関係性を作っていく必要がありますが、広報担当の態度やコミュニケーションによって関係性が途絶えたりしてしまっては企業にとっては非常に大きな損失になってしまいます。

企業の顔として、正しいコミュニケーション方法を身につけることが大切です。

まとめ

本記事では、広報の意味と、企業における広報の役割について解説しました。
広報というものが企業にとっていかに重要で価値のあるものかご理解いただけたかと思います。

ぜひ広報活動を通じて、貴方の会社や製品が認知されるきっかけをつくってみてください。